組市松の五輪エンブレム
東京オリンピックの開催がいよいよ近づいてまいりました。今回はその東京オリンピックのエンブレムについて。色んな評価があるようですが、着物の仕事に携わる私からも、一言・・。
まず市松紋様ですが、これは江戸時代の歌舞伎役者、市松が好んだ文様だから市松紋様と呼ばれるようになったのであり、そもそもは神社の境内の石を表す石畳紋様と呼ばれていました。
いろんな石を踏みしめて身を清めていくという神聖な文様なのです。絵の中には3種類の石が描かれているそうですが、世界中の人々が五輪を通じて一つになるという清く尊いメッセージを感じました。
そして藍色。日本の藍染はタデ科の藍を用いた独特の色で、ジャパンブルーと外国人を驚かせたのでした。また藍は生地を強くし、かつ殺菌作用があるため、侍は濃い藍染の着物で自分の身を刀から守ったのでした。そして絵のような濃い藍色は別名”勝ち色”。だから勝利に向かう強い意志も感じました。