着物はなぜ右前?
「着物って右前なの左前なの? なぜですか?」と度々尋ねられることがあります。
まず右前左前ですが、この「前」とは、「手前に」とか「先に」、という意味です。
そして、着物をはおり両方の衿をそれぞれ左手と右手で持つと、右手側の衿側を先に入れ込んでいきますから、着物は右前です。
この右前に決まったのは、実は1300年も昔のこと。はるか奈良時代の719年に衣服令なる法ができ、その中で統一されたのです。それ以前はバラバラ、例えば埴輪を見ると左前もありますものね。
女性は無意識に赤ん坊の頭を自分の心臓のある左胸側にして抱きます。その時に右前だと着物がはだけずにお乳をやりやすいこと。男性の場合は、刀を抜く右手を懐手にして暖めておきやすいこと。
などの合理性があったので、そのまま定着したと言われております。