甦った芭蕉布
和を想う ~池田社長ブログ~
芭蕉布の歴史
前回の『沖縄は着物王国』に続き、2016年2月に沖縄の着物産地を店長達を連れて訪ね歩いた先の一つが沖縄本島の北部喜如嘉にある芭蕉布共同組合。
芭蕉布は、糸芭蕉というバナナ科の木の幹の繊維を細く裂いて糸を作り、それに藍染やテーチ木染という南国特有の草木染料で、柄付けしていきます。しかも糸を先染めして、染ではなく織りで柄を表現します。生地に張りがあることから、普段着だけでなく、武士の羽織や裃などのフォーマル着にも愛用されてきました。
沖縄は第二次大戦中の地上戦で、首里城を始め島中が焼野原となり、芭蕉布工房も焼失。
戦後、平良敏子さんを始めとする喜如嘉地方の方々が復興に尽力され、芭蕉布は1974年には国の重要無形文化財となりました。私たちが組合を訪ねた日も、94歳の人間国宝の平良敏子さんは、黙々と他の職人さんと共に芭蕉の糸作りに励んでおられました。