進化した侍
以前、家族旅行で鹿児島を訪れた折に「薩摩スチューデント」達の事を知りました。
幕末に、薩摩武士が英国人を無礼討ちしたのに怒った英国が薩摩に軍艦で攻めてきたのが薩英戦争。英国の砲弾は薩摩の2倍以上飛んだそうで、薩摩は愕然とします。
戦後交渉の中で薩英間で互いに尊敬の念が芽生え、薩摩藩は19名を、幕府の鎖国政策の中で密かに英国に留学させることにします。
英国船内で刀を預けるように要求された折に、最年少13歳の長澤が、「これからは、学問という矢を使って戦っていけばいい。だからもう刀をいらない。」と言いつつ、固持する先輩たちを尻目にさっと刀を差し出します。
さまざまな価値観を否定せず、融合調和させて進んでいくのが和の心の特長ですが、長澤のこの言葉が、西洋の文明と侍魂を見事に融合させる契機となります。
彼らは学問という新たな矢を身につけ、明治へと日本を進化せていったのでした。