砂漠の道

 もともとシルクは中国で紀元前3000年前に発明された、門外不出の貴重な工芸品でした。シルクを求めて遠くはローマからも中国に通った道がシルクロード。シルクロードには、北から草原ルート、砂漠ルート、そして海洋ルートと3ルートがあったとされています。

 砂漠ルートは、地図で見ると真横に走りますので一番近いのですが、砂漠あり山岳ありの最も過酷なルート。そして旅に欠かせないのが駱駝でした。駱駝は、飢餓に強く、水を与えるだけで元気になるので、重宝されました。さらに駱駝は臭覚が鋭いので、子供駱駝の死体を道中に埋めて、迷わないようにしたそうです。

 かつてシルクは金と等価なくらいの高嶺の花。日本でも、シルクを「蚕」すなわち天の虫と書き、お蚕神社を作るほどに崇めてきました。 そして明治になるまで、庶民はシルクの着物を着ることが許されませんでした。