浴衣の授業

 以前、鳥取伯耆町の中学から浴衣についての授業をしてもらえないかと、問い合わせがありました。少しでも着物の素晴らしさをお伝えすることができれば本望だと思って、さっそく行かせてもらいました。

 45分間の授業時間のうち、着方の実習は20分ほど。残りはこんな話をしました。

 着物は、世界中から「美の結晶」と呼ばれるくらいに、美しいと評価されているんだよ。

 着物の袖が長いのはね、この袖のふれあいを通じて、周りの人との交流を保つため。

 ボタンじゃなくて、掛け合わせによる着付けは、自分だけじゃなく、娘も孫も着れるように自由に調節できるため。

 淡い色が多いのは、自分が周囲に溶け込みやすいように。

 そして、文様には一つ一つに意味があり、例えば桜の文様は豊穣のシンボルであること。

 キラキラした目に吸い込まれるように、話し続けたのでした。