流水は生命力と捉われない心
雨の多い季節になりましたね。雨の一滴のしずくは、川の流れを作り大海に流れていきます。 この様を着物に表しているのが「流水」文様です。
水がなければ人は生きていけません。つまり、一滴の水は生命の源。この一滴の水がどんどん集まって大海を形成する。流水には強い力、生命力が読み込まれているのです。
また、「流水無心にて落葉を送る」という言葉があるように、ただただ高いところから低いところへと流れる水には、捉われがない、無心の意味もあります。無心で流れる流水に、散る花もまた、計算して落ちている訳ではありません。自然と散りゆく花と、それを無心で乗せていく川の関係のように、人の関係も「ありのまま」がいいという意味です。
何気ない流水の文様ですが、そこには、大きな生命力と捉われない心の意味が込められているのです。